オフホワイトのカップから、温かな湯気が立ち上る。二人は並んでココアを飲んでいた。
外は風が冷たそうだが、部屋の中はふんわり暖かい。
ふうふう息を吹いて熱々を冷ましながら、少しずつココアを飲んでいたむぎは、
「このところ、フレーバーティーが続いてたのに、珍しいね。紅茶も
いろいろ種類買ってみたんだよ」
と首を傾げて、瀬伊を見た。
「うん。それはまた今度飲ませてもらうよ」
「もしかして疲れてる?」
「そういうわけじゃないけど。今日は甘いものにしようと思って」
と言って、瀬伊はカップをそっとテーブルに置いた。きょとんとするむぎの前に顔が近づいて。
ぺろり。唇をなめられた。
「ね、やっぱり甘い」
甘いもの、欲しかったんだと天使の笑顔で瀬伊が言う。
「ね、もっとちょうだい」
ねだる声に我に返っても、その気になった妖精はもう止まらなくて。
ココア味のキスが止まるのは、不幸な同居人が帰ってきたとき。